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食べ物で言うところの甘辛と、日本酒の甘辛は基準が違います。 日本酒の甘口、辛口というのは人の味覚の基準とは違っていて辛口の酒だからといって飲んだときに感じる味覚は必ずしも「辛い」 訳ではありません。もちろん「甘口」も然りです。
日本酒の甘口、辛口は「日本酒度=酒度」で表されています。酒度が+(プラス)だと辛口、−(マイナス)だと甘口といった感じです。 酒度とは酒中に含まれる糖分の比率によって決まり糖分が多いと−、少ないと+です。 アルコールは酵母が糖分を分解して生成するものなので、長期発酵系は比較的に酒度が+が多くなっています。 発酵が進むにつれて酒度が−〜+へと変化していくんですね。 おおよその日本酒の酒度は±5の範囲に収まっているんではないでしょうか。
さて、前述のように味覚で感じるものは酒度がプラスだからといって必ずしも「辛い」ということはありません。 酒度以外の要因の一つは「酸度」です。 酸度が高いほど辛口に感じることがあります。 他にもアミノ酸度、生や火入れの違いによっても同じお酒で甘辛の味覚は変わります。
以上のことから日本酒度での甘口、辛口というのはあくまで機械的な住み分けといったトコと思っていただければ良いと思います。 「造り手」にとっては目標の酒質を目指すのに良い基準の一つとなっていますが、「飲み手」にとってはさほど重要でない基準です。 どんなお酒でも飲んでみなければどんな味かは分かりません。 酒度が高いから、低いからナントカ、なんてことはあまりありません。
とは言うものの・・・中には酒度が−20、−30(それ以下も)といったお酒もあります。 ここまでくると酒度のままで十分味は想像できるほどです。 すごく甘いです。 日本酒のイメージとは離れた味です。これは例外ですね。 |
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