お酒のはなし 本文へジャンプ


4・日本酒の造り
 ここでは順を追って製品となるまでの過程を・・・
まずは「
精米」、ですがこれは「2・酒米」の中で触れたので端折ります。

 続いて「
洗米」です。 これがなかなか重要で米に水を吸わせすぎるとベトつき麹にも掛米としても向きません。 逆に吸わなせすぎだと生蒸になってしまい麹では菌糸が伸びず、掛米としても溶けにくくなるのでやはり良いお酒になりません。 酒造りは「一麹」というくらい麹が大事ですがその良い麹を造るための前提として洗米は重要作業です。 麹だったり掛米だったりで変わりますがだいたい米の重量の30%程度の吸水率を目指して洗い、浸漬時間を決めています。 米は水を吸うとだんだん白くなっていくので見た目でも判断することもできます。

 洗米された米は翌日に釜、もしくは蒸米機で蒸されます。 ここで蒸された米が適当な温度まで冷まされてから麹になったり掛米になったりとします。

 続いて「
」造りです。 洗われ、蒸され、乾かされた米の中心部に残る水分を目掛けて菌糸が伸びていきその後表面にポツポツと菌糸が顔を出してくるのが良い麹の成長です。 麹の役割は酒母、及びもろみ中での糖化(糖発酵)です。

 次は「
酒母」。 酒母の役割は純粋な酵母の培養です。 これによってもろみ中での不適当な野生酵母の混入、繁殖を防ぐことができます。 最も早い高温糖化の速醸で約10日間、生モトで3〜4週間の仕込期間です。 酵母には7号酵母(長野・真澄酵母)、9号酵母(熊本・香露酵母)、その他多くの種類がありそれぞれのお酒の個性に繋がっていきます。

 そして「
本仕込み」です。 まず初日の「」で酒母、麹、仕込水、掛米を入れます。 2日目は「踊り」、仕込みは行わず酵母の増殖のため1日空けます。 3日目は「」で添のおよそ倍の量の麹、仕込水、掛米を加えます。 そして4日目「」でさらに倍の量の麹、仕込水、掛米を加えて後は温度管理等をしながらおよそ一ヶ月もろみの発酵を見守ります。

 次は「
上槽搾り)」です。 搾りは大きく分けてもろみを袋の中に入れてもろみの重さで搾る「袋搾り」と自動圧搾機による搾りの2つです。 割合としては後者が圧倒的に多いです。 この搾りによってもろみは「」と「酒粕」に分かれます。 酒粕の用途は板粕として甘酒に用いられたり、粕中にはアルコールが残存しているのでこれを蒸留し「米焼酎」として製品にしたり「醸造アルコール」として吟醸酒造りに用いられたりとします。

 こうしてできた清酒は「1・清酒の分類」の項で取り上げた各酒に出来上がることとなります。