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6・醸造アルコール
 清酒、本醸造、吟醸、大吟醸、これらは全て原材料に「醸造アルコール」とあります。 この醸造アルコールはどのようなものでどのような理由で使用されているか? 知らない方も多いと思います。 何となく純米酒のほうが良いと思っている方が多いのではないでしょうか? しかし、醸造アルコールは悪いものではありません。 植物由来のもので使用はしっかりと意味のある必要なものです。 そこのところをご理解いただきたいと思います。

 まずアルコール添加の目的から。 1つ目は
香りの引き出し効果です。 香りの成分は水よりアルコールに良く溶け込みます。 いわゆる吟醸香もよく感じ取れるようになるので各蔵からの出品酒が純米大吟醸でなく大吟醸が多いのはこれが理由です。 2つ目は味の切れを良くすることです。 もろみの中には発酵の過程で生成された糖や酸が多く含まれています。 これらを抑えることによって軽快な切れの良い酒質を造ることができます。
 以上の2つがアルコール添加の目的となっています。 昔は防腐効果、つまりは火落ち菌の発生防止というのもありましたが衛生管理の十分な現在はこの意味合いは薄れています。

 続いて、「醸造アルコール」の原料について・・・
原料の大半は
サトウキビが占めています。 他は米アルコール(米焼酎)もあります。 サトウキビの糖蜜に酵母を加えて発酵→蒸留→そしてこれを無味無臭に精留するとエチルアルコール(=エタノール=醸造アルコール)となり使用されています。 醸造アルコールの添加量は蔵によってまちまちですがおおよそ本醸造で100%アルコール(度数100%)として3%程度の添加量で、吟醸、大吟醸となるにつれ添加量も減っていきます。
 この「エチルアルコール」ですが、酒類のアルコールの成分は全てこれです。 清酒、焼酎、ウイスキー、ウォッカ等々。 また、これを25%にしたものが甲類焼酎となっています。 酒類のアルコールの成分はどれも同じ、純米酒のものも本醸造のものも同じです。

 たまにアル添酒が悪酔いする、体に悪いという方がいますがそんなことはありません。 
悪酔い等の原因は飲みすぎか体調のどちらかがほとんどです。 そして純米酒だけが美味しいわけではありません。 本醸造、吟醸にも美味しいものはたくさんあります。 ぜひ本醸造、純米を区別することなくお酒をお選び頂きたいと思います。

 ちなみに・・・豆知識の(5・酒の甘口・辛口)で取り上げた「日本酒度」、日本酒でなくとも日本酒度を測定することが出来るんです。 (5・酒の甘口・辛口)を読めばわかると思いますが日本酒度は液体中の糖分を測定するもの、蒸留酒の「醸造アルコール」にも日本酒度があるんですよね。 度数によって変わりますが25%で+44、30%で+52、35%で+62、どれも激辛です。甲類焼酎のペットボトルなどがほぼ同じなのでお薦めはしませんが試したい方は・・・。